排出権取引

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排出権取引

鳩山総理が、国連デビューのスピーチで、CO2の25%削減について、明言しました。
CO2と温暖化の因果関係に疑問が呈されてもいますが、何はともあれ我々のライフスタイルを見直すきっかけになるのであれば、それだけでも効果があると思います。

CO2で必ずセットとして論じられるのが、排出権取引。今日、知人と話をしていたのですが、やっぱり何かhしらの矛盾を感じざるを得ませんでした。
排出権取引においては、需要(CO2を排出してでも便利・贅沢な暮らしをしたい欲求)は無限であるのに対し、供給側の「地球全体で年間に排出出来るCO2量」は有限です。無限のものと有限のものとで、果たして適切な需要・供給バランスが保たれるのでしょうか?何となく、経済学の基礎的な部分で、論理が成り立たないような気がしてなりません。

感覚的に、現在の変動相場制の世界に、唯一金本位制を保持している国(A国)があるようなイメージです。
金本位制下では、金と通貨の交換比率が一定に保たれているため、原則として金のマーケットコストに通貨の価値が連動します。
そのとき、金が将来的に値上がると見込んで、海外の金融機関・投資家がA国の通貨を大幅に買いに走ったとしましょう。A国の通貨発行限度額は、金保有量に比例するため、海外から大幅な買いが入った場合、国内の通貨の多くが流出することになります。
結果として、A国通貨の大半が海外へ流れてしまい、国内の通貨流通量が大幅に落ち込み、経済がガタガタになる。もしくは、金と通貨の交換比率を切り下げざるを得ずインフレが生じる、のどちらかの解になるのではないかと思います。

金→CO2と置き換えれば、同じ議論が排出権取引でも起こるのではないでしょうか。
一部の金融機関・投資家が自分に関係のない分野で、ただ「儲かるかもしれない」という行動を取ったがために、投資対象を生活の糧としている人が苦労をさせられる、そんな構図ができあがるおそれがあります。
日本でも、つい昨年、原油価格高騰によるガソリン価格の急上昇で、運輸業界などが悲鳴を上げましたのは、記憶に新しいところです。

資産運用や投資をする場合、
投資(=相場価格の変動がそれなりに大きい商品)には余裕資金のみを投じてください。
生活に必要な資金は、定期預金等で保有してください。
ということを、クドイくらい聞かされます。
結局のところ、生活に直接必要な資金は、相場変動にさらされないところで運用してください、という意味です。

であれば、同様に
「生活に必要な商品は、ボラティリティの高いマーケットにはさらさない」
というのも、当てはまると思うんですけどね。

<よろしければ、弊社HPもご覧下さい>
http://aassist.weblike.jp//

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