リーマンショック

TOP >  コラム > 時事問題 > リーマンショック

リーマンショック

19日の日経朝刊の記事です。
「世界の株式相場が上昇基調を強めて、昨年9月のリーマンショック前の水準とほぼ同等の時価総額になった。ただし、日本株の回復基調は遅い」
という趣旨が書いてありました。

記事からは、「世界経済はリーマンショック前を回復したのに、日本は出遅れている」という感触を受けるのですが、何となく違和感を覚えます。
そもそも、リーマンショックは、相場が異常に加熱(上昇)したから発生したのですよね?
ということは、「リーマンショック前の水準を回復=異常な相場が戻ってきた」というだけではないのでしょうか?それが健全なこととは思えないのですが・・・。

それに対する模範解答としては、リーマンショックを受けて、各国は税金で政府支出を増やし、その結果景気が持ち直したということなのでしょう。ただ、税金=国民負担です。
結局は、国民負担を課して通貨の供給量を上げ、結果として相場の異常値水準を上げる(=リーマンショック以前の水準は異常値ではなくなるまで、通貨供給をする)ということをしたにすぎないのではないでしょうか?

変動相場制の歴史を見ると、こういった対症療法的な対応により、どんどん通貨供給量が増えていっている気がします。
日本のバブル、アジア通貨危機、ネットバブル、リーマンショック、危機が起きるその度に、通貨供給量を増やすことで、対応を図っています。
いつかどこかで、ものすごくジャブジャブになった通貨が耐えきれずに、巨大な体制変化がおきるのでしょうか?
ちょうど、痛み止めの薬はだんだん使用量を増やさないと効かなくなるように・・・・。

変動相場制に移行する契機となったニクソンショックから、まだ40年も経過していません。
裏返せば、変動相場制があるべき相場の姿か?ということについては、まだ回答が出ていないといえると思います。
近い将来、「次の」体制への移行が起きる可能性は否定し切れません。
それを言い出すのは、リーダーの座であり続けたいと願うアメリカか、一大経済圏を築いたEUか、次の覇権国家を目指す中国か・・・。いずれにせよ、日本でないことは確かなんでしょう。悲しいですが。
一番怖いのは、体制の変化で必要となる「犠牲」です。
そのころには、日本経済の相対的な地位も低下しているでしょうから、何らかの犠牲を強いられることも、また国際金融の標的となることもあり得ると思います。ちょうど、90年代後半に韓国がIMF傘下に入ったように。

そういった事態委を防ぐため、日本の国力を上げていけると良いですね。
あと、政府債務ですね。
このあたり、なんとか建て直して行きたいものです。

コメントをどうぞ

*